週刊ラグドールラグドールは可愛いのか? 特別号

2026年9月25日発行 第1号定価:のびしろ

検証

【検証】でかいのに声が小さい?ラグドールの鳴き声問題

2026年9月25日・週刊ラグドール取材班

体重はお米の袋くらい。胸は分厚く、足はぶっとい。そんな猫が口を開けて出した声が「ぴぃ」。見た目は重量級、声は小鳥。ラグドールの鳴き声ギャップは本当なのか。そもそも「ラグドールは鳴かない」って本当なのか。取材班はマイクを向けた。

ウワサ

Xでは「この図体でこの声」「鳥が鳴いてると思ったらうちのラグドールだった」といった投稿がときどき話題になる。ネットの記事でも、小鳥のようにさえずるラグドールが紹介されている(necocoto)。

一方で、品種紹介の文章ではよく「ラグドールはおとなしく、あまり鳴かない」と書かれる。ウワサを分けるとこうなる。

  • 体のわりに声が小さい・高い
  • そもそもあまり鳴かない

先に言っておくと、当編集部は「鳴かない」をまったく信用していない。

取材班が調べた

品種の紹介は「おしゃべりではない」

まず公式っぽいところから。CFA(アメリカの猫の登録団体)の品種紹介では、ラグドールはおしゃべりな猫ではないが、ときどき小さな声であいさつしてくる、という書き方をしている(CFA)。

日本の獣医師監修の記事でも、大きな声で鳴くことは少ない「とされる」と紹介されている(アニコム)。

ここで大事なのは、どちらも「そういう傾向があると言われる」という紹介だということ。鳴き声の多さを品種ごとにきちんと測って比べた研究は、取材班が探した範囲では見つからなかった。ちなみにキャットショーの審査基準(品種の標準)は見た目の基準なので、鳴き声は審査されない。

「ニャー」は人に向けて育つ声

ここからが面白い。猫の「ニャー」は、大人の猫どうしではあまり使われず、主に人とのやりとりで使われる声だとされている。イタリアの研究チームの論文でも、ニャーは猫どうしや野良猫の群れではまれで、人と猫のやりとりで典型的に見られると整理されている(Prato-Previde ら 2020)。人と暮らす猫と野良猫では、ニャーの音の特徴も違うという報告があるそうだ。

獣医師監修の記事でも、猫は人と暮らし、ごはんをもらう中で、声で気持ちや要求を伝えるようになったと説明されている(ねこのきもち)。

つまり、どれくらい鳴くかは品種だけで決まる話ではなく、その家で「鳴けば通じる」を覚えたかどうかも関係しそうだ。鳴くと飼い主がすぐ動く家では、ラグドールだろうとしゃべる子に育っても不思議はない。

「でかいのに声が高い」は判断保留

体の大きさと声の高さの関係については、猫で品種別にきちんと調べた資料を取材班は見つけられなかった。なので「ラグドールは体のわりに声が高い」と言い切ることはできない。

言えるのは、高い声の子、ささやき声の子、けっこう大きな声の子、全部いるということ。そして取材班の耳には、どの声もだいたい「かわいい」に聞こえる。品種を問わず。ギャップが話題になるのは、たぶん見た目の迫力がありすぎて、どんな声でも「小さっ」と感じるからだ。

鳴き声の種類、ざっくり早見

声の大小より大事なのは、何を言っているかだ。獣医師監修の記事をもとに、よく聞く声をまとめるとこうなる(ねこのきもち)。

  • ニャー・ニャーン:ごはん、かまって、開けて、などのお願い
  • ゴロゴロ:満足している、安心している
  • シャー・フー:来るな、という警告
  • 窓の外の鳥を見ながらのカカカ:狩りたいのに届かないもどかしさ

声が高くても低くても、小さくても大きくても、中身はだいたいこのどれか。ラグドールの「ぴぃ」も、たぶん翻訳すると「ごはん」である。

ウワサ 取材班の見立て
あまり鳴かない 品種紹介ではそう言われる。でも個体差が大きい
声が小さい・高い そういう子はいる。品種全体の特徴とは言い切れない
鳥みたいに鳴く そういう子もいる。かわいいかは知らん。高い
まったく鳴かない ウソ。鳴く

判定

判定:個体差。

ラグドールは品種の紹介で「おしゃべりではない」「大きな声は少ない」と書かれることが多い。でもそれは傾向の話で、よく鳴く子も、大きな声の子も普通にいる。「ラグドールは鳴かない」を事実として信じて迎えると、初日の夜に裏切られる可能性がある。

声のギャップも、そういう投稿はよく見かけるが、品種の特徴と言えるほどの根拠は見つからなかった。

性格のウワサあれこれはウワサ検証にもまとめている。

飼い主向けメモ

  • 「鳴かない猫だから集合住宅でも安心」とは考えない。鳴く子は鳴く
  • ニャーは人との暮らしの中で「伝わる」と覚えていく声でもある。要求鳴きが増えて困ったら、どんなときに鳴いて、そのとき自分がどう応えているかを一度振り返ってみる
  • 声がかすれる、急に鳴かなくなった、逆に急によく鳴くようになったなど、いつもと違う変化があれば動物病院で相談を
  • 10歳を超えてから夜に鳴くようになった場合は、年のせいと決めつけない。甲状腺機能亢進症や高血圧、認知機能の低下などが関わることもある(池田動物病院)
  • 触ったときや排せつのときに鳴くなら、痛みのサインのこともあるので受診を

結論。ラグドールの声が小さいかどうかは、鳴いてから考えればいい。どうせ鳴く。

取材班が見た資料

※性格や体の特徴には個体差があります。健康について気になるときは、動物病院に相談してください。

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