週刊ラグドールラグドールは可愛いのか? 特別号

2026年9月25日発行 第1号定価:のびしろ

検証

【検証】昼は省エネ、夜は大運動会。ラグドールのやんちゃはいつまで

2026年9月25日・週刊ラグドール取材班

昼間のラグドールは、床に落ちた毛布みたいな顔で寝ている。起きても前足だけで遊ぶ。省エネの鑑だ。ところが夜中の2時、廊下の奥から「ドドドドド」。さっきの毛布が、全力で走っている。取材班は寝不足の目をこすりながら調べた。

ウワサ

Xでは「昼は置物、夜は暴走族」「寝たまま猫じゃらしを前足だけで追う」「夜中の運動会で起こされる」といった投稿がラグドールあるあるとしてよく流れてくる。省エネ遊びと夜の大運動会がセットで語られがちだ。

気になるのはこの2点。

  • 昼はだらけているのに、夜だけ元気なのはなぜか
  • このやんちゃは、いつまで続くのか

取材班が調べた

猫は「夜行性」ではなく、薄暗い時間が得意

猫は夜行性と思われがちだが、獣医師監修の記事では、猫は明け方と夕暮れに活発になる「薄明薄暮性」の動物だと説明されている(PECO)。野生の祖先が獲物を狙っていた時間帯のなごりだ。

さらに猫はよく寝る。睡眠時間は1日12〜16時間くらいが目安とされる。昼間にたっぷり寝て充電し、夜から明け方に放電する。飼い主の就寝時間と猫の出勤時間がかぶっているだけである。

夜に走る理由は「ヒマ」と「元気が余ってる」

同じ記事では、夜中に元気になる理由として、昼間の運動不足でエネルギーが余っていること、飼い主とのふれあい不足、避妊・去勢をしていない場合の発情などが挙げられている。

別の解説記事では、完全室内飼いの猫は刺激が少なく、要するに退屈していることが大きいとされている(PETOKOTO)。昼間に省エネしすぎた結果、夜にツケが回ってくるわけだ。

ラグドールの「省エネ」はどこまで本当か

品種の説明では、ラグドールは「そこそこ活発」で、遊ぶのは好きだが遊びをしつこく要求はしない、とされている(CFA)。飼い主からは「大人になりきらない子猫」と言われることも紹介されている。

ほかの品種紹介でも「穏やか」「落ち着いている」と書かれることが多い。寝転んだまま前足だけで猫じゃらしを追う「省エネ遊び」がネタになるのも、このイメージがあるからだろう。

ただし「のんびり」「動かない」はあくまで言われがちなイメージで、全頭の話ではない。走り回る子は普通に走り回る。体が大きいぶん、足音がでかいだけだ。

やんちゃのピークと「いつまで」

一般的な猫の話として、夜の運動会は子猫のころから始まり、生後5〜6カ月から2歳くらいまでが激しいとされる(PETOKOTO)。年齢が上がるにつれて落ち着き、飼い主の生活リズムに寄ってくる子が多い(PECO)。ただしシニアになっても時々開催する猫もいる。

ラグドールには、もうひとつ事情がある。体が完成するまでが長いのだ。GCCF(イギリスの猫の登録団体)の基準では、完全に成熟するのは3〜4歳ごろになることもあるとされている(GCCF)。ただし、体の成熟とやんちゃが終わる時期が同じだという資料は見つからなかった。なので「ラグドールは4歳まで暴れる」とは言えない。

時期(目安) 夜の運動会 ひとこと
生後2〜3カ月ごろ〜 始まる 練習試合
生後5〜6カ月〜2歳ごろ いちばん激しい 本番
2歳以降 落ち着く子が多い ときどき同窓会
10歳を超えてから急に 要注意 運動会ではないかも

成長スピードの話は体重の目安の記事でもまとめている。

シニアの「急な夜の元気」は別物のことも

ここは真面目な話。10歳を超えたころから、夜に鳴いたり落ち着かなくなったりする猫は少なくない。動物病院の解説では、原因として認知機能の低下のほか、甲状腺機能亢進症、高血圧、腎臓病、関節などの痛みが挙げられている(池田動物病院)。

「年をとったのに元気になった」は喜ぶところではなく、病院で相談するところかもしれない。

判定

判定:わりとホント。

昼に寝て夜に元気になるのは、ラグドールに限らず猫の習性で、ウワサはおおむね当たっている。ただ「ラグドールは昼は必ず省エネ」は言いすぎで、活発さには個体差がある。夜中の足音には毎回イラッとするのに、廊下で目が合うと全部許してしまう。猫好きなら品種を問わず、たぶん身に覚えがあると思う。

やんちゃがいつまで続くかは、一般的には2歳前後から落ち着く子が多い、というのが目安。ラグドールは体の成長が遅いが、それで運動会が何年延長されるかまでは分かっていない。そこは猫次第だ。

飼い主向けメモ

  • 昼間や寝る前に、猫じゃらしなどでしっかり遊ぶ時間を日課にする。一人遊びできるおもちゃもあると夜のヒマつぶしになる
  • 寝る前にごはんを出すのも手。狩りのあとに食べて寝る、という猫の流れに合わせる考え方だ(PECO)
  • 避妊・去勢をしていない猫は、発情で夜に騒ぐこともある。手術をするかどうか、時期も含めて動物病院で相談を
  • 集合住宅なら、走るコースの床にマットを敷いて足音対策。体が重い子ほど着地の音がでかい
  • ラグドールは体が大きく身軽なタイプではないので、キャットタワーは段差が低く足場の広いものが向くとされる(ロイヤルカナン)
  • シニアになって急に夜鳴きや夜の活動が増えた、よく食べるのにやせてきた、水をよく飲む、といった変化があれば早めに動物病院へ

取材班の結論としては、運動会をやめさせるより、飼い主が耳栓を買うほうが早い。

取材班が見た資料

※性格や体の特徴には個体差があります。健康について気になるときは、動物病院に相談してください。

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