週刊ラグドールラグドールは可愛いのか? 特別号

2026年9月25日発行 第1号定価:のびしろ

検証

【検証】夏毛と冬毛で別の猫になる問題

2026年9月25日・週刊ラグドール取材班

夏に会ったラグドールと、冬に会ったラグドール。同じ猫だと言われても信じられない。冬はライオン、夏はちょっと大きめの普通の猫。体重は変わってないのに、見た目の体積が倍。これは詐欺なのか、衣替えなのか。取材班は抜け毛まみれになりながら調べた。

ウワサ

「衣替え詐欺」はラグドールのネタとしてときどきバズる。ニュースでも、夏と冬の写真を並べたラグドールが話題になったことがある(grape)。体重は8kg台で同じなのに、冬の姿はもふもふが過ぎて、見た目が倍くらいある。

ウワサはだいたいこんな感じ。

  • ラグドールは夏毛と冬毛で別の猫に見える
  • 冬のもふもふは太ったわけではない
  • 換毛期の抜け毛がすごい

取材班が調べた

品種の基準が「季節で毛が変わる」と公認している

これがいちばん強い証拠だ。ラグドールの品種の基準を3つ見ると、どれも季節による被毛の違いにわざわざ触れている。

団体 被毛について 季節の扱い
CFA(アメリカ) そこそこ長い毛。首まわりのえりまきがあるのが好ましい 季節による違いは認める
GCCF(イギリス) 絹のような手ざわりで、成猫はえりまきとズボン状の毛が好ましい 夏の短い毛でもよい
WCF(国際団体) 中くらいの長さで、下毛は少なめ 季節による被毛を考慮する

出典:CFA、GCCF、WCF

つまりキャットショーの審査でも「夏だから毛が短いのは仕方ない」扱いになっている。公式に別の猫を認めているようなものだ。ちなみにCFAの基準は、避妊・去勢していない成猫の毛が短めなことも許容している。

別の猫に見える主役は「えりまき」と「ズボン」

CFAの基準によると、ラグドールの毛は顔が短く、首まわりが長く、肩のあたりで短くなり、しっぽに向かってまた長くなる。後ろ足にはふさふさのズボン、しっぽは羽根飾りのようなボリュームが理想とされる。

冬になると、この首まわりのえりまきと後ろ足のズボン、しっぽが一気に盛られる。顔と肩は短いままなので、首から下だけライオンみたいなシルエットになる。夏はこの盛りが減って、体の線がそのまま見える。これが「別の猫」の正体だ。冬のえりまきを眺めているうちに、ノルウェージャンやサイベリアンの冬毛の写真まで探しに行ってしまうのは、長毛好きなら一度は通る道だと思う。

しかもラグドールは、このえりまき自体が育つのに時間がかかる。CFAの基準では、毛と色が完成するのは3歳ごろが目安とされ、GCCFの基準も、えりまきとズボンは「成猫で」あるのが好ましいという書き方をしている。若い子は冬でもえりまきが控えめで、年を重ねるごとに冬の盛り具合が増していく、ということになる。1〜2歳のうちに「うちの子、冬でも普通だな」と思っても、まだ本気を出していないだけかもしれない。

体重計に乗せれば同じ猫だと分かる。見た目だけで太った・やせたを判断しないほうがいい。

換毛期は春と秋、でも室内猫はぼやけがち

一般的な猫の換毛期は、春(3〜5月ごろ)と秋(9〜11月ごろ)の年2回が目安。日照時間の変化やホルモンの影響で起こるとされ、この時期の抜け毛は普段の5〜10倍になることもあるという(キミおもい)。

ただし、エアコンの効いた室内でずっと暮らす猫は、季節の切り替わりがはっきりしなくなったり、ずれたりすることもある(ヒルズ)。一年中ちょっとずつ抜ける、というパターンだ。うちの子は衣替えしない、という家もあって当然である。

下毛は少なめ、でも抜けないわけではない

ラグドールは基準上「下毛(ふわふわの綿毛)は少なめ」が理想とされ、下毛が多くて毛が体から立ってしまうのは減点になる(CFA)。そのため毛玉になりにくいと言われる。

とはいえ長毛種なので、抜けるときはちゃんと抜ける。「毛玉になりにくい」は「お手入れしなくていい」ではない。抜け毛と毛玉の対策はこっちの記事で詳しくやっている。

判定

判定:本当。

ラグドールが夏と冬で見た目が大きく変わるのは本当で、しかも品種の基準が公式に認めている。とくに首まわりのえりまきと後ろ足のズボンが季節で増減するので、シルエットがまるで変わる。

ただし中身は同じ猫で、体重が倍になったわけではない。変化の大きさは個体差があるし、室内の環境によってはあまり変わらない子もいる。

飼い主向けメモ

  • 換毛期はブラッシングの回数を増やす。長毛の猫には、スリッカーブラシとコームの組み合わせがよいとされる
  • 冬毛の時期は、見た目ではなく体重計で体形をチェック。もふもふは体形を隠す
  • 抜け毛を飲み込みやすい時期なので、食欲がない、吐こうとしても何も出ない、便秘、お腹を触られるのを嫌がる、といった様子があれば早めに動物病院へ(キミおもい)
  • 季節に関係なく、毛がごっそり抜けて地肌が見える、かゆがる、皮膚が赤いなど、いつもと違う抜け方なら受診を
  • 夏の室温の目安は夏の室温の記事を参照。冬毛のまま夏を迎えるわけではないが、長毛は長毛である

結論。夏のラグドールと冬のラグドールは同じ猫だが、掃除機のゴミパックはたぶん別人を疑う。

取材班が見た資料

※性格や体の特徴には個体差があります。健康について気になるときは、動物病院に相談してください。

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